先駆的なエビデンス、起業支援モデルがいかにして難民の極度の貧困を軽減できるかを示す
- 新たな研究、ドリームズ・プログラムが東アフリカ全域の難民コミュニティにおいて、収入、貯蓄、そしてレジリエンスを向上させていることを示す
- イケア財団は、ドリームズのエチオピアにおける次段階のための資金として740万ドル (約12億円) を確約し、コンラッド・N・ヒルトン財団はドリームズのウガンダにおける次段階のための資金として350万ドル (約5億6000万円) を付与した
ケニア、ナイロビ発, June 17, 2026 (GLOBE NEWSWIRE) -- 本日発表された新たなエビデンスは、起業支援と市場アクセスを組み合わせたアプローチにより、東アフリカの難民およびホストコミュニティにおける極度の貧困を大幅に削減できることを示している。
ヴィレッジ・エンタープライズ (Village Enterprise) とマーシーコー (Mercy Corps) が実施している、ドリームズ (レジリエントな企業と市場システムの構築 (Delivering Resilient Enterprises and Market Systems、DREAMS)) プログラムに関する2件の無作為化比較試験 (RCT) では、世界でも特に厳しい難民環境においても、参加世帯が1年以内に有意義な経済的利益を得られたことが判明した。
独立した評価機関であるIDインサイト (IDinsight) が実施したこれらの調査によると、ドリームズの参加世帯では、対照群と比較して以下の項目が増加した。
- 月間世帯消費が、ウガンダでは17%、エチオピアでは9%増加
- 両国とも貯蓄が90%以上増加し、経済的・気候的ショックに対する財務的バッファとレジリエンスが強化された
- 参加者が家畜を購入し、住宅を建設し、道具に投資した結果、世帯資産が20~24%増加した。
このプログラムは、ウガンダ・ウェストナイル地域にある世界最大級の難民居住区ライノ・キャンプ (Rhino Camp) とビディ・ビディ (Bidi Bidi)、およびエチオピアのドロアド地域にある3つの難民居住区において、22,000世帯以上に支援を届けた。
ドリームズは、起業に必要なスキル、資金、メンタリングを極貧世帯に提供するヴィレッジ・エンタープライズの12ヶ月間の貧困脱却プログラムと、世界的な人道支援・開発組織であるマーシーコーが実施する市場システム開発 (MSD) を組み合わせたものである。 MSDは、主要産業における地元の民間セクター関係者とのつながりを促進し、地域市場を強化する。
人道支援が前例のない規模で削減されている中、この調査結果は、難民とホストコミュニティが支援への依存から脱却し、持続可能な生計を築き、家族や子供たちを養うことを支援する、費用対効果が高く、拡張性のあるモデルを示している。

ヴィレッジ・エンタープライズのジュンバ・マーティン (Jjumba Martin)
ドリームズに参加している人々は、牛肉、魚、牛乳といった栄養価の高い食品をより多く購入できるようになったことや、学費、教科書、交通費など、子供を学校に行かせるための費用を支払えるようになったことなど、生活に有意義な変化があったと報告している。 ヴィオラ (Viola) は初め南スーダンからビディ・ビディ難民キャンプに到着し、現在は美容院を経営している。 ヴィオラは次のように語っている。「1歳の娘を抱いて移動しなければならず、旅は空腹と疲労でさらに過酷なものとなりました。 ウガンダに到着した時、私たちは何も持っていませんでした。 自分がこのような変化を遂げられるとは思いませんでした。 故郷を逃げ出したあの日と、ここまで来た道のりを思うと、驚きを感じます。」
現在エチオピアに住むソマリア難民のヌリナ (Nurina) は、次のように語っている。「障害があるため、以前は1カ所に居たいと思っていました。 孤立感がありました。 近所の人たちは私を過小評価し、重要な存在とは考えてもらえませんでした。 しかし今では、私が生計を立て、お金を貯め、子供たちを養うことができているのが、分かってもらえています。 その人たちは、私にアドバイスを求めてきます。 ヴィレッジ・エンタープライズで学んだことを説明してほしいと頼まれます。 このプログラムは、私の家族全員にとっての転機となりました。」
家畜、農具、住宅やソーラーパネルへの投資に加え、マットレス、ベッド、テーブルなどの家具も含めた世帯資産は、ウガンダでは対照群と比べて20%、エチオピアでは24%多くなった。
開発の青写真
このRCT (無作為化比較試験) は、ウガンダとエチオピアにおける本プログラムの効果を測定したが、世界中の難民居住区に住む870万人にとって、この解決策が持つ可能性を示している。
ドリームズの成功が認められ、本プログラムへの支援が今後も継続される。
- エチオピアでは、イケア財団 (IKEA Foundation) が、ドリームズが次段階に進み、プログラムを地方政府のシステムにさらに定着させるため、740万ドル (約12億円) の資金を拠出することを約束した。 この助成金の主な焦点は、なぜこのプログラムが様々な状況下で機能するのかを評価し、こうした複雑な環境でも規模を拡大できるよう、取り組み方を最適化することにある。
- ウガンダでは、コンラッド・N・ヒルトン財団 (Conrad N. Hilton Foundation) が2029年3月まで、ドリームズが次段階に進むための350万ドル (約5億6000万円) の資金を確約し、ウガンダ、ケニア、タンザニア、モザンビーク全域の既存の幼児発達プログラムにドリームズをどのように組み込めるかについての評価を行う。
気候変動や紛争により避難民が大幅に増加する中、ドリームズは、受入国がどのように難民を支援し、収入の創出、持続可能な生計の確立、そして地域経済への貢献を実現できるかを示している。 エチオピアとウガンダの両国におけるRCTでは、ドリームズの効果が5年間持続した場合、家計の消費拡大と資産形成を通じて、費用の2倍の価値を生み出すと予測されている。
ヴィレッジ・エンタープライズのCEO、サジニ・モジャペロ (Sazini Mojapelo) は次のように述べている。「人道支援予算が縮小している今、世界中の何百万人もの難民に、真に持続的な成果をもたらす解決策が必要とされています。 ドリームズは、適切な支援があれば、極度の貧困状態にある難民やホストコミュニティが事業を立ち上げ、収入を増やし、家族を養うことができることを示しています。このことが、最終的には、援助への依存度を削減することにつながるのです。 この取り組みを継続的に支援し、エチオピアとウガンダのより多くのコミュニティや難民にドリームズを広める手助けをしてくれたイケア財団とヒルトン財団に感謝しています。」
マーシーコーのCEO、タジャダ・マッケナ (Tjada McKenna) は次のように述べている。「持続的な変化は、援助だけでは生まれるものではなく、オポチュニティへのアクセスから生まれるのです。 このエビデンスは、機能している市場、サプライチェーン、そしてお客さまと難民がつながることができれば、難民が事業を立ち上げ、収入を得て、社会に貢献できることを示しています。 誰もが繁栄できる未来を望むなら、それを可能にするシステムに投資することが必要なのです。」
IDインサイトのチーフインパクトオフィサーであるアリソン・コナー (Alison Connor) 氏は次のように述べている。「難民にとって何が有効かに関する厳密なエビデンスは依然として乏しいですが、今回の評価はそのギャップを有意義な形で埋めるものです。 当組織では、難民の環境において貧困脱却と市場システム開発を組み合わせた場合に、何が起こるかを検証しました。 ウガンダとエチオピア全域で、参加世帯はプログラム完了から数ヶ月以内に、消費、収入、貯蓄、資産において著しい向上を示し、その成果は、同地域の他の生計向上プログラムと比較しても遜色ありません。 人道支援セクターが資金配分について難しい決断を迫られている中、このような知見は、信頼できるエビデンスに基づいたアプローチへ資源を振り向ける一助となります。」
イケア財団のプログラム・マネージャーであるレディエト・アビイ・カサイエ (Rediet Abiy Kassaye) 氏は次のように述べている。「これらの結果は、難民とホストコミュニティが、尊厳と安定性、そして希望を持って生活を再建するチャンスを得られたとき、どのようなことが可能になるかを示しています。 当財団は、エチオピアにおけるドリームズの次段階を支援し、ヴィレッジ・エンタープライズおよびマーシーコーと協力して、家族が避難生活から脱却し、自身と地域社会のために新たなオポチュニティを創出できるよう支援し続けることを嬉しく思っています。 私たちは共に、小規模事業と活気ある地域市場が、今後何世代にもわたり家族や地域社会に持続可能なオポチュニティをもたらす可能性を見出しています。」
コンラッド・N・ヒルトン財団の難民・災害・航空担当シニア・プログラム・オフィサー、バリ・ショリー (Barri Shorey) 氏は次のように述べている。「ドリームズは、難民とホストコミュニティのための、長期的な経済的解決策への投資が持つ力を実証しています。 この取り組みのウガンダにおける次段階を支援できることを嬉しく思います。このモデルは家族が持続可能な生計を築き、家庭の安定を強化し、子供たちのためにより健全な未来を創り出すのを助けることができる、まさに真の二世代アプローチなのです! 東アフリカ全域で、ドリームズを幼児期の発達支援活動と統合することで、養育者と幼い子供たちを共に支援する機会を生み出し、家族がより安全で生産的な未来を築くのを助けることになります。」
編集者への注
- ドリームズ・プログラムについて
- ヴィレッジ・エンタープライズの貧困脱却モデルの一環として、参加世帯を30世帯構成のビジネス貯蓄グループに組織化し、貯蓄を共同で積み立て、互いに支え合い、少額の融資を行うよう奨励した。
- マーシーコーは、これらのビジネスと、家禽、ヒマワリ、大豆、ゴマ、羊・山羊の肥育といった主要産業の民間セクター事業者を結びつけた。
- 各世帯は、作物の不作、異常気象、疾病による家禽の死亡、盗難といった一般的な脅威による打撃に、よりレジリエントに対応できるよう、主要産業にまたがる複数の事業を立ち上げるよう奨励された。
- ウガンダとエチオピアの両国において、対照群は資金提供を受けず、従来の収入源に依存し続けたが、プログラムから間接的な恩恵を受けた世帯もあった。 一部の対照群世帯は、プログラムに参加している友人や近隣住民から借金をするか、信用取引で物品を入手することで、非公式に資金にアクセスした。
- ウガンダにおけるRCTについて
- ヴィレッジ・エンタープライズは、12,000世帯に対し、事業立ち上げと維持のためのビジネス研修を行い、また204ドル (約32,700円) のシード資金を2回に分けて支給し、継続的なメンタリングも提供した。
- このシード資金は3世帯で構成される事業グループで共有され、各グループはビジネス貯蓄グループに組み込まれた。
- 2022年から2025年にかけて実施されたこのRCTには6,560世帯が参加し、12ヶ月間にわたるドリームズ・プログラムはこの期間を通じて段階的に導入された。
- プログラムが地域のインフレを助長しないよう、各コホートの開始は、前のコホート開始から4ヶ月後というように、時間的間隔を置いて設定された。 RCTの結果全文はこちらから閲覧可能である。
- これらの結果は、2025年4月から7月にかけて実施された第1回エンドライン調査の知見に基づいており、参加者がプログラムを完了してから約6~18ヶ月後の、短期から中期の成果を捉えている。
- 同プログラムの長期的な影響を測定するため、1年後の2026年に第2回調査の実施が予定されている。
- エチオピアにおけるRCTについて
- ヴィレッジ・エンタープライズは、ドロアドの参加者10,800名に対し、事業立ち上げと維持のためのビジネス研修、500ドル (約8万円) のシード資金、およびメンタリングを提供した。
- このシード資金は3世帯で構成されるビジネスグループで共有され、各グループはビジネス貯蓄グループに組み込まれた。
- エチオピアにおけるRCTは、2023年から2026年にかけてIDインサイトによって実施され、マーシーコーが市場システム開発を強化していた地域における貧困脱却モデルのインパクト、およびドリームズ・プログラム全体が、難民と受入世帯の家計の経済的生産性と福祉、主観的ウェルビーイング、女性のエンパワーメントに与える影響を評価した。
- RCTには6,151世帯が参加し、そのうち2,050世帯がドリームズ・プログラムを全面的に受けた。
- これらの結果は、2025年10月から12月に収集された第1回エンドライン調査の知見に基づいており、実施から約6~18ヶ月後の成果を捉えている。
- RCTの結果全文はこちらから閲覧可能である。
ヴィレッジ・エンタープライズについて
ヴィレッジ・エンタープライズの使命は、起業家精神、イノベーション、そして共同の取り組みを通じて、アフリカの農村部における極度の貧困を解決することである。 当組織は、気候変動、紛争、避難の影響を最も強く受けている脆弱な立場にある女性、難民、若者と共に活動し、このような人々が気候変動に配慮したビジネスを立ち上げ、貯蓄を築き、自身と家族を極度の貧困から脱却させる持続可能な道へと導くためのスキルとリソースを提供している。 ヴィレッジ・エンタープライズは、エチオピア、ケニア、ルワンダ、ウガンダ、コンゴ-ブラザヴィル、コンゴ民主共和国、マダガスカル、モザンビーク、ナイジェリア、タンザニアにおいて、11万9,000件以上の事業を立ち上げ、230万人以上の人々の生活を好転させてきた。
マーシーコーについて
マーシーコーは、誰もが繁栄できる世界を実現するために活動する、4,300人近くの人道主義者からなるグローバルチームである。 チームメンバーの95%は、活動先の国々の出身者である。 紛争、災害、貧困、気候変動の影響を受けている46ヵ国において、地域社会、地方自治体、先見性のある企業、および社会起業家と協力し、緊急のニーズに対応するとともに、長期的なソリューションを開発し、持続的な変化を実現している。 2025年、マーシーコーは3,650万人以上を支援した。 詳しくはwww.mercycorps.orgを閲覧されたい。
IDインサイトについて
IDインサイトは、リーダーたちが人々の生活を改善するために大規模な取り組みを行えるよう、データ、エビデンス、およびテクノロジーを提供するグローバルな非営利団体である。 当組織は政府、NGO、資金提供者と提携し、大胆なパイロット事業から全国規模への拡大に至るまで、インパクト創出のあらゆる段階における意思決定を支援している。 当組織のチームは、厳格なエビデンス、最先端の手法、実践的な知見を提供することで、リーダーたちが真に人々の生活を変えるプログラムを設計・実施できるようにしている。
報道関係者向けの問い合わせ先:
villageenterprise@wearesevenhills.com
+44 7388 003595
本発表に付随する写真はこちらから入手可能:
https://www.globenewswire.com/NewsRoom/AttachmentNg/6044f789-0bf6-4524-9715-9f9f68a92f53
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